開催結果報告

第二部:ここでしか聴けない宇宙の話

「聞いたら元気になる宇宙の話」と題し、金井宣茂宇宙飛行士と有人宇宙開発の現場で活躍しているJAXA及び産業界の技術者をパネリストに迎え、山中HTVフライトディレクタのモデレートで、それぞれの現場の話、夢を交えながら、有人宇宙開発の未来についてパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションの後に質問コーナーを設け、会場からの質問にパネリストがそれぞれ回答し、会場と活発な交流を行いました。
パネルディスカッション「聞いたら元気になる宇宙の話」
モデレータ :山中 浩二(JAXA HTV フライトディレクタ)
コメンテータ :金井 宣茂(JAXA宇宙飛行士)
 矢野 幸子(JAXA宇宙環境利用センター)
 松尾 尚子(一般財団法人 リモート・センシング技術センター)
 醍醐 加奈子(有人宇宙システム株式会社)
 竹内 芳樹(三菱重工業株式会社)

パネルディスカッション(動画)

会場との主なQ&A

写真レポート

■ パネラー
矢野 幸子(JAXA宇宙環境利用センター)
松尾 尚子(一般財団法人 リモート・センシング技術センター)
竹内 芳樹(三菱重工業株式会社)
醍醐 加奈子(有人宇宙システム株式会社)
金井 宣茂(JAXA宇宙飛行士)
■ モデレータ
山中 浩二 (JAXA HTV フライトディレクタ)
■ 会場の様子
松尾氏によるプレゼン
醍醐氏によるプレゼン
山中氏によるプレゼン
パネルディスカッションの様子

【 会場との主なQ&A 】

Q.
大きな失敗をした際の気持ちの切り替え方、モチベーションを維持する方法はありますか?
A.
矢野 最初の植物実験輸送シミュレーションを行った際、NASA側担当者の言葉を信じていたら、検疫で植物が没収されてしまいました。それからは宇宙実験の本番に向けては何か月も前から準備することにしました。他人の言うことは安易に信じないということが教訓となり、それ以来コミュニケーションをきちんととるよう心がけるようになりました。
竹内 ポジティブシンキングで臨んでいます。開発にはトラブルが付き物なので、克服して前に進むという心構えを持っています。
Q.
ISS滞在中のJAXA飛行士に対する管制官の地位はどのようなものでしょうか?
A.
醍醐 上司部下といった関係ではありません。管制官は飛行士と同じか、それ以上に訓練を行っています。実運用では飛行士と管制官でタッグを組み困ったときは互いに助け合います。チームのような関係です。
山中 確かに管制官は猛烈な訓練を行います。その過程で一体感を得ていきます。
Q.
宇宙について興味がない人は興味が全くありません。全国民参加型にするためにはどうすべきですか。
A.
松尾 それは私にとっても問題意識としてありました。「広める」と「深める」の二軸の広報を心がけていました。「広める」には他の媒体(メディア)を活用し、「深める」はHP等での実験成果等の紹介をしました。全国民参加というのは難しいですが、全小学校を結んだISSとの交信イベントや、全国の小学三年生が必ず宇宙から持ち帰った植物の栽培をおこなうなどの試みができればよいと思います。
Q.
宇宙開発の意義とは何でしょうか。
A.
金井 夢と希望です。自分にとっては、宇宙に関して、聴くこと、知ることが楽しい。プロフェッショナルの仕事について聴くとすごいと感じています。このような感動、心の動きが日本の力となると思います。
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