実証ミッション①【H-SSOD】
2026年3月7日(日本時間)、 HTV-X1号機はISSから離脱し技術実証ミッションフェーズに入りました。これより再突入までの期間(約3か月間)において、HTV-X1号機は 軌道上での技術実証や実験を行うプラットフォームとして3つのミッションを行いました。
最初のミッションとして2026年3月11日(日本時間)、日本大学の超小型衛星「てんこう2」の放出および軌道投入が完了しました。HTV-Xの特長である自在な飛行能力を活かし、ISSよりも高い高度から衛星を放出することにより、超小型衛星の運用期間の延長や実運用的な利用ミッションへの運用を可能にするなど、超小型衛星放出の新たな需要を引き出します。「てんこう2」は、宇宙から電波を送ったり、宇宙の環境を調べたりしており、宇宙をより身近に感じてもらうことも目的としています。
H-SSODミッションとして、超小型衛星「てんこう2」を放出した動画はこちらからご覧いただけます。
実証ミッション②【Mt.FUJI】
SLR反射器Mt.FUJIは、JAXA追跡ネットワーク技術センター軌道力学チームが開発するSLR(Satellite Laser Ranging: 衛星レーザ測距)用の反射器です。今回のミッションでは、まず開発したMt.FUJIがSLR反射器としてきちんと機能するかを確認しました。次に、HTV-X1号機を特別な姿勢で飛行させ、地上からSLRで観測データを取得し、そのデータから推定したHTV-X1号機の姿勢の動きや地上との距離を実際の運用データと比較することで、どの程度正確に推定できるかを調べました。
SLRとは、地上からレーザ光を宇宙の機体に当てて、その往復時間から距離と姿勢の動きを正確に測る技術です。スペースデブリの位置を詳しく把握することにも役立ちます。
Mt.FUJIミッションの詳細はこちらのリンクをご覧ください。
実証ミッション③【DELIGHT】
新たなパネルの展開・結合機構を実装した展開型軽量パネルを軌道上で展開し、展開中の挙動や展開後の構造特性を計測しました。同パネルの一部には、軽量平面アンテナも搭載し、地上局から電波の受信レベルを測定しました。また、次世代宇宙用太陽電池実証装置(SDX)も搭載し実証試験を行いました。
再突入
HTV-X1号機の大気圏への再突入を完了しました。
- 再突入推定時刻 2026年5月26日 23時09分頃(日本時間)
- 着水推定時刻 2026年5月26日 23時09分頃~ 27日 00時09分頃(日本時間)
2025年10月の打上げから約7か月間にわたり実施してきた日本の次世代輸送機の最初となるHTV-X1号機のミッションは、計画していたすべての運用を無事に完了しました。
本ミッションの成功は、開発・打上げ・運用に携わった多くの関係者の尽力に加え、国内外の関係機関の皆様や、日頃から応援してくださる皆様のご理解とご支援によって支えられたものです。
HTV-X1号機で得られた成果を今後の開発・運用に活かし、現在準備を進めているHTV-X2号機以降のミッションの成功につなげてまいります。これからのHTV-Xシリーズの挑戦にもご注目ください。
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA