概要
2026年2月28日、第6回「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo Robot Programming Challenge、以下「Kibo-RPC」)の軌道上決勝大会を開催しました。
軌道上決勝大会には、各国・地域予選を勝ち抜いた13チーム(表1)が参加し、学生たちが作成したプログラムを用いて、NASAがISS船内で運用するドローンロボット「Astrobee」を制御し、画像認識の精度とミッション完了までの速さを競いました。
実際のISS船内はシミュレータ環境とは異なり、気流による外乱や予期しない挙動が発生するため、それらに対応できる安定性をもつプログラミングが求められます。今競技会では、台湾代表チーム「iTron」が見事優勝しました。
本イベントは、例年と同様にJAXA筑波宇宙センターとオンラインを接続したハイブリッド形式で開催し、インドネシア、日本、台湾、タイの4チームが筑波宇宙センターに来訪しました。
また、軌道上決勝大会の後には、シミュレータ競技として「JAXAシミュレーション・アワード」を開催しました。このアワードでは、照明輝度の変化や、スペースシャトルのISSドッキング時の加速度ゆらぎを参考にした「重力ジッタ」など、ランダム要素を取り入れた独自の環境を設定しています。実環境とは異なる難しさがあり、軌道上決勝と同様、どのような状況でもミッションを遂行できる安定したプログラミングが鍵となりました。
イベントの様子は後日YouTube「JAXAチャンネル」にて公開予定です。
軌道上決勝大会には、各国・地域予選を勝ち抜いた13チーム(表1)が参加し、学生たちが作成したプログラムを用いて、NASAがISS船内で運用するドローンロボット「Astrobee」を制御し、画像認識の精度とミッション完了までの速さを競いました。
実際のISS船内はシミュレータ環境とは異なり、気流による外乱や予期しない挙動が発生するため、それらに対応できる安定性をもつプログラミングが求められます。今競技会では、台湾代表チーム「iTron」が見事優勝しました。
本イベントは、例年と同様にJAXA筑波宇宙センターとオンラインを接続したハイブリッド形式で開催し、インドネシア、日本、台湾、タイの4チームが筑波宇宙センターに来訪しました。
また、軌道上決勝大会の後には、シミュレータ競技として「JAXAシミュレーション・アワード」を開催しました。このアワードでは、照明輝度の変化や、スペースシャトルのISSドッキング時の加速度ゆらぎを参考にした「重力ジッタ」など、ランダム要素を取り入れた独自の環境を設定しています。実環境とは異なる難しさがあり、軌道上決勝と同様、どのような状況でもミッションを遂行できる安定したプログラミングが鍵となりました。
イベントの様子は後日YouTube「JAXAチャンネル」にて公開予定です。
表1. 軌道上決勝大会の参加チームリスト(アルファベット順)
| 国・地域 | チーム名 |
| オーストラリア | Dream Rover |
| バングラデシュ | Cortex Robotics |
| インドネシア | Narantaka GMAT |
| 日本 | FUNABASHI |
| マレーシア | Automen |
| ネパール | 404 Yeti Not Found |
| フィリピン | Inflection Point |
| シンガポール | Astrovibe |
| 台湾 | iTron |
| タイ | Syntax Waiyakorn |
| 国連宇宙部(UNOOSA) | 5AM |
| アメリカ合衆国 | StarStrikers |
| ベトナム | Yellow Stars |
軌道上決勝大会について
開会にあたり、JAXA宇宙環境利用推進センター 白川正輝センター長が挨拶し、続いて解説員の東京大学 中須賀真一教授とJAXA 金井宣茂宇宙飛行士がそれぞれ挨拶を行いました。競技の大会概要説明は、MCの宮川弥生氏が担当しました。また、Astrobeeの運用に携わるArkisys社CEOで南カリフォルニア大学教授のデイブ・バーンハート氏からも、オンラインで挨拶をいただきました。
ゲームルールの説明に続き、NASAのクリストファー・ウィリアムズ宇宙飛行士によるオープニング・リマークス(Opening Remarks)があり、軌道上決勝大会の競技が開始されました(図2、プログラム:表2)。
ゲームルールの説明に続き、NASAのクリストファー・ウィリアムズ宇宙飛行士によるオープニング・リマークス(Opening Remarks)があり、軌道上決勝大会の競技が開始されました(図2、プログラム:表2)。
図2 大会の様子
競技の見どころ
前回に続き、今大会でも「画像認識」が重要なポイントとなりました。チームごとにAIによる機械学習やパターンマッチングなど異なるアプローチを採用しており、戦略の個性が際立ちました。
さらに今回は新要素として「オアシスゾーン」を設置しました。通過すると滞在時間や画像認識対象までの距離に応じてボーナスポイントを獲得できる一方、選択するルートによっては時間を要する可能性があり、各チームの戦略が大きく分かれました。
学生たちはチーム紹介の後、自らのプログラムで制御されたAstrobeeが「きぼう」船内をどのように動き、ミッションを達成できるかを固唾をのんで見守りました(図3)。ミッションを成功させたチームがある一方で、予選で使用したシミュレーション環境との違いに苦戦したチームも見られました(成績:表3)。
さらに今回は新要素として「オアシスゾーン」を設置しました。通過すると滞在時間や画像認識対象までの距離に応じてボーナスポイントを獲得できる一方、選択するルートによっては時間を要する可能性があり、各チームの戦略が大きく分かれました。
学生たちはチーム紹介の後、自らのプログラムで制御されたAstrobeeが「きぼう」船内をどのように動き、ミッションを達成できるかを固唾をのんで見守りました(図3)。ミッションを成功させたチームがある一方で、予選で使用したシミュレーション環境との違いに苦戦したチームも見られました(成績:表3)。
結果発表(軌道上決勝大会)
全チームの競技終了後、軌道上決勝大会の結果発表を行いました。
- 1位:台湾代表「iTron」(図4)
- 2位:マレーシア代表「Automen」(図5)
- 3位:フィリピン代表「Inflection Point」(図6)
1位のiTronは筑波宇宙センターで現地参加しており、金井宇宙飛行士から直接表彰状が授与されました。オンライン参加の2位・3位のチームには、後日表彰状とトロフィーを送付します。
サイドイベント「JAXAシミュレーション・アワード」
軌道上決勝大会の後、シミュレータ環境での競技を行うサイドイベントを実施しました。ルール説明に続き、中須賀教授と金井宇宙飛行士が各チームの競技を実況解説しました(成績:表4)。
結果発表(サイドイベント)
- 1位:台湾代表「iTron」(図7)
- 2位:アメリカ代表「StarStrikers」(図8)
- 3位:インドネシア代表「Narantaka GMAT」(図9)
1位のiTronは現地会場で金井宇宙飛行士より賞状を授与されました。2位のStarStrikersはNASA施設からオンライン参加、3位のNarantaka GMATは現地とオンラインのハイブリッド参加のため、オンライン参加者には後日賞状とメダルを送付します。
終わりに
軌道上決勝大会とサイドイベントの終了後、参加学生を対象にワークショップを開催しました。さらに筑波宇宙センターでの現地参加者は、交流会や「きぼう」運用管制室見学を行い、国際的な交流の場となりました。
本イベントの開催に向けてご協力いただいた参加各国・地域の宇宙機関・研究機関の皆さま、そして最後まであきらめずにプログラムを作成し提出してくださった学生の皆さまのおかげで、第6回Kibo-RPCを無事に成功裏で終えることができました。今回の経験が皆さまの未来につながることを、スタッフ一同心より願っております。
第7回Kibo-RPCの開催も予定しています。募集開始は改めてお知らせしますので、ぜひご参加ください。
第7回Kibo-RPCの開催も予定しています。募集開始は改めてお知らせしますので、ぜひご参加ください。
表2.Kibo-RPC決勝大会のプログラム
| プログラム | 出演者 | |
| 1 | オープニングビデオ | - |
| 2 | 開会の挨拶 | JAXA宇宙環境利用推進センター長 白川正輝 |
| 3 | 概要説明と紹介:司会と解説員の紹介、軌道上決勝大会について | 司会:Kibo-RPC事務局 宮川弥生 解説員: ・東京大学 教授 中須賀真一 ・JAXA宇宙飛行士 金井宣茂 |
| 4 | Arkisys Astrobeeチームの挨拶 | Arkisys社CEO デイブ・バーンハート |
| 5 | ルール説明ビデオ | - |
| 6 | オープニングメッセージ | NASA宇宙飛行士 クリストファー・ウィリアムズ |
| 7 | 各チームよる自己紹介と軌道上運用時のビデオ再生(アルファベット順) | 解説員: ・東京大学 中須賀教授 ・JAXA 金井宇宙飛行士 |
| 8 | 結果発表と表彰 ヒーローインタビュー |
結果発表者:JAXA 金井宇宙飛行士 優勝チーム:iTron(台湾) |
| 9 | 順位発表 | Kibo-RPC事務局 宮川 |
| 10 | クロージングメッセージ | NASA ウィリアムズ宇宙飛行士 |
| 休憩 | ||
| 11 | サイドイベントオープニング | 司会:Kibo-RPC事務局 宮川 |
| 12 | ルール説明ビデオ | - |
| 13 | シミュレータによる競技 | 解説員 ・東京大学 中須賀教授 ・JAXA 金井宇宙飛行士 |
| 14 | 結果発表と表彰 ヒーローインタビュー |
結果発表者:JAXA 金井宇宙飛行士 優勝チーム:iTron(台湾) |
| 15 | 講評 | 東京大学 中須賀教授 |
| 16 | 閉会の挨拶 | JAXA 白川 |
| 17 | 記念撮影 | - |
表3. 軌道上決勝大会の成績一覧
横スクロールしてお読みください。
| ランク | 国・地域 | チーム名 | ミッション 完了時間 |
マッチングの 正解数 |
ターゲット アイテムへの 認識 |
スコア (300点中) |
| 1 | 台湾 | iTron | 3分34秒 | 4/4 | OK | 269.9 |
| 2 | マレーシア | Automen | 2分45秒 | 4/4 | NG | 218.4 |
| 3 | フィリピン | Inflection Point | 4分21秒 | 4/4 | NG | 216.8 |
| 4 | バングラデシュ | Cortex Robotics | 3分42秒 | 3/4 | OK | 213.2 |
| 5 | インドネシア | Narantaka GMAT | 3分11秒 | 2/4 | OK | 172.57 |
| 6 | 日本 | FUNABASHI | 2分42秒 | 3/4 | NG | 153.2 |
| 7 | アメリカ | StarStrikers | 時間切れ | 1/4 | NG | 90.0 |
| 8 | タイ | Syntax Waiyakorn | 3分34秒 | 1/4 | NG | 76.6 |
| 9 | ネパール | 404 Yeti Not Found | 3分32秒 | 1/4 | NG | 70.5 |
| 10 | オーストラリア | Dream Rover | 時間切れ | 1/4 | NG | 40.0 |
| 10 | ベトナム | Yellow Stars | 時間切れ | -/4 | NG | 0.0 |
| 10 | シンガポール | Astrovibe | フリーズ | -/4 | NG | 0.0 |
| 10 | UNOOSA | 5AM | フリーズ | -/4 | NG | 0.0 |
表4. サイドイベント(JAXA シミュレーション・アワード)の成績一覧
横スクロールしてお読みください。
| ランク | 国・地域 | チーム名 | ミッション 完了時間 |
マッチングの 正解数 |
ターゲット アイテムへの 認識 |
スコア (360点中) |
| 1 | 台湾 | iTron | 2分13秒 | 4/4 | OK | 337.88 |
| 2 | アメリカ | StarStrikers | 2分40秒 | 4/4 | OK | 332.78 |
| 3 | インドネシア | Narantaka GMAT | 2分37秒 | 4/4 | OK | 312.83 |
| 4 | バングラデシュ | Cortex Robotics | 2分12秒 | 4/4 | OK | 309.41 |
| 5 | フィリピン | Inflection Point | 1分43秒 | 4/4 (報告位置X) |
NG | 298.19 |
| 6 | UNOOSA | 5AM | 1分19秒 | 4/4 | NG | 282.67 |
| 7 | ネパール | 404 Yeti Not Found | 2分17秒 | 3/4 | OK | 270.68 |
| 8 | 日本 | FUNABASHI | 2分14秒 | 3/4 | OK | 270.63 |
| 9 | シンガポール | Astrovibe | 3分7秒 | 2/4 | OK | 243.67 |
| 10 | マレーシア | Automen | 1分24秒 | 3/4 (報告位置X) |
NG | 240.22 |
| 10 | ベトナム | Yellow Stars | 2分18秒 | 3/4 | NG | 230.1 |
| 10 | タイ | Syntax Waiyakorn | 時間切れ | 1/4 (報告位置X) |
NG | 223.61 |
| 10 | オーストラリア | Dream Rover | 1分53秒 | 0/4 | NG | 119.97 |
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA