2026.02.05
- お知らせ
第31回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF)での宇宙フロンティア分科会(SFWG)の開催報告
- きぼうアジア利用推進室(KUOA)
- 「きぼう」利用のご案内
2025年11月18日から21日、フィリピンのセブにて第31回アジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF-31)が開催されました。18日(火)・19日(水) の2日間は、社会便益のための衛星利用分科会(SAWG)、宇宙能力向上分科会(SCWG)、宇宙教育for All分科会(SE4AWG)、宇宙フロンティア分科会(SFWG)、宇宙法政策分科会(SPLWG)の5つの分科会が行われました。続く20日(木)・21日(金) の2日間は本会合が開催され、APRSAF-31全体で、40の国・地域等から561名が参加しました。
宇宙フロンティア分科会(SFWG)
11月18日と19日の日程でフィリピン宇宙庁(PhilSA)宇宙科学ミッション局部長のReinabelle C. Reyes博士と JAXA宇宙環境利用推進センター長の白川正輝が共同で議長を務め、宇宙フロンティア分科会(SFWG)が開催されました。オンライン参加者を含め、17か国・地域の79機関から114名が参加しました。
SFWGは、宇宙科学実験だけでなく将来の宇宙探査に向けた「きぼう」日本実験棟の利用機会や、アジア・太平洋地域における宇宙環境利用の可能性について議論・情報共有を行い、国際宇宙探査活動のさらなる発展を目指して活動しています。
今年もKibo-ABCイニシアチブによる「きぼう」を利用したSTEM教育プログラムや「きぼう」の船内・船外利用、そして国際宇宙探査について多くの機関※から発表が行われました。
今年もKibo-ABCイニシアチブによる「きぼう」を利用したSTEM教育プログラムや「きぼう」の船内・船外利用、そして国際宇宙探査について多くの機関※から発表が行われました。
※今回は12か国・地域(オーストラリア、バングラディシュ、インドネシア、日本、マレーシア、インド、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、UAE、ベトナム)から宇宙科学技術活動の報告が行われました。
また、各国・地域における超小型衛星の打ち上げ・運用・利用に関する報告、将来の宇宙探査に向けた計画、宇宙分野の会議・イベント開催状況、「きぼう」を利用した取り組みなど、多様な活動が紹介されました。
スペシャルセッション 宇宙での生活
JAXA大西卓哉宇宙飛行士が、2016年および2025年の国際宇宙ステーション(ISS)滞在経験をもとに、微小重力環境下での生活や「きぼう」での活動について紹介しました。微小重力下では地上の常識が通用しない点や、日常生活・科学実験における特徴的な体験が語られたほか、月・火星探査を見据えた将来の長期宇宙滞在に向けた新たな課題についても言及されました。
さらに、有人宇宙システム株式会社(JAMSS)からは、商業宇宙飛行士向けのトレーニングの取り組みが紹介され、宇宙環境を利用する多様な機会が示されました。
さらに、有人宇宙システム株式会社(JAMSS)からは、商業宇宙飛行士向けのトレーニングの取り組みが紹介され、宇宙環境を利用する多様な機会が示されました。
Kibo-ABC活動・STEM取り組みセッション
Kibo-ABCを通じたSTEM教育への貢献をテーマに、各国の具体的な取り組みや参加学生の経験が共有されました。
例えば、Kibo-ABCの取り組みの一つである「きぼうロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC)」に関しては、台湾および日本からメンタリング制度や初心者向けコースを通じた教育的価値向上の取り組みが紹介されました。また国連宇宙部(UNOOSA)からは、若年層のSTEM人材育成に向けた国際的な活動との関連が紹介されました。さらに、Kibo-ABCプログラムに参加した学生の発表を通じ、Kibo-ABCの教育的プログラムが宇宙・STEM分野のキャリアを志す契機となり得ることが示されました。
例えば、Kibo-ABCの取り組みの一つである「きぼうロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC)」に関しては、台湾および日本からメンタリング制度や初心者向けコースを通じた教育的価値向上の取り組みが紹介されました。また国連宇宙部(UNOOSA)からは、若年層のSTEM人材育成に向けた国際的な活動との関連が紹介されました。さらに、Kibo-ABCプログラムに参加した学生の発表を通じ、Kibo-ABCの教育的プログラムが宇宙・STEM分野のキャリアを志す契機となり得ることが示されました。
「きぼう」利用活動セッション
ISSおよび「きぼう」を活用した研究・利用機会と、その支援体制が紹介されました。JAXAからは、「きぼう」における船内外実験の特徴や代表的な科学実験(生命科学、物質科学など)、およびISS退役後も商業プラットフォームを通じて科学活動を継続する方針が紹介されました。続いて、三井物産エアロスペース株式会社(MBA)およびSpaceBD株式会社が、民間事業者として提供する実験支援や衛星放出に関する具体的な内容と実績を紹介しました。
また、台湾国家宇宙センター(TASA)による超小型衛星ONGLAISATミッション、Mahidol Universityによる生命科学実験の成果が共有され、「きぼう」を活用した国際的な研究・実証の具体例が示されました。
また、台湾国家宇宙センター(TASA)による超小型衛星ONGLAISATミッション、Mahidol Universityによる生命科学実験の成果が共有され、「きぼう」を活用した国際的な研究・実証の具体例が示されました。
宇宙分野における新技術セッション
宇宙開発における技術イノベーションと宇宙利用が生み出す新たな機会について、具体的な取り組み事例が紹介されました。
台湾のNational Central University(国家中央大学)は日本の株式会社ispaceの月面着陸機「HAKUTO-R」向けのペイロード開発について紹介しました。さらに、台湾のNational Tsing Hua University(国立清華大学)は、高エントロピー合金およびアディティブ・マニュファクチャリングの宇宙応用について発表しました。
カナダのMatrix Gemini社は月面環境に適したインフラ構築に向けた構想を説明し、フィリピンのSaint Louis University Baguio(セントルイス大学バギオ校)の学生は、小型衛星の持続可能性向上を目的とした再突入・軌道離脱機構の新たなコンセプトを紹介しました。
その後、ポストISS時代を見据え、学術界、政府機関、民間企業の関係者による将来展望に関する意見交換が行われました。
台湾のNational Central University(国家中央大学)は日本の株式会社ispaceの月面着陸機「HAKUTO-R」向けのペイロード開発について紹介しました。さらに、台湾のNational Tsing Hua University(国立清華大学)は、高エントロピー合金およびアディティブ・マニュファクチャリングの宇宙応用について発表しました。
カナダのMatrix Gemini社は月面環境に適したインフラ構築に向けた構想を説明し、フィリピンのSaint Louis University Baguio(セントルイス大学バギオ校)の学生は、小型衛星の持続可能性向上を目的とした再突入・軌道離脱機構の新たなコンセプトを紹介しました。
その後、ポストISS時代を見据え、学術界、政府機関、民間企業の関係者による将来展望に関する意見交換が行われました。
長期有人探査における栄養の課題セッション
長期有人探査を見据えた宇宙食と栄養の課題について、研究成果と実務的視点の両面から議論が行われました。
まず、フィリピンのSpace Nutrition Networkから宇宙における栄養の主要課題の整理について発表があり、続いて徳島大学がJAXAおよびNASAのデータに基づく研究を紹介しました。PhilSAからは、アジア・太平洋地域の食文化を活かした将来の宇宙食に関する提案が発表されました。
パネルディスカッションでは、若田宇宙飛行士、大西宇宙飛行士が登壇し、ISSでの食事経験を踏まえた改善点、栄養と心理面の重要性、低軌道以遠での栄養維持、宇宙食生産の課題と地上・災害時への応用、さらにはポストISS時代における国際協力のあり方について、意見が交わされました。
まず、フィリピンのSpace Nutrition Networkから宇宙における栄養の主要課題の整理について発表があり、続いて徳島大学がJAXAおよびNASAのデータに基づく研究を紹介しました。PhilSAからは、アジア・太平洋地域の食文化を活かした将来の宇宙食に関する提案が発表されました。
パネルディスカッションでは、若田宇宙飛行士、大西宇宙飛行士が登壇し、ISSでの食事経験を踏まえた改善点、栄養と心理面の重要性、低軌道以遠での栄養維持、宇宙食生産の課題と地上・災害時への応用、さらにはポストISS時代における国際協力のあり方について、意見が交わされました。
SFWGの結果は、以下の資料により、APRSAF-31の本会議で報告されました。
また、APRSAF-31の結果は、下記の資料で文部科学省 宇宙開発利用部会(第100回)にて報告されました。
SFWG情報
| 日時 | 2025年11月18日、19日 9:00~16:00(フィリピン、UTC+8) |
| Agenda | SFWGアジェンダ |
| 参加国・地域数 | 17か国・地域、79機関 |
| 参加人数 | 114人(オンラインでの参加者含む) |
※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA